Made of だんぼーる
〜〜〜風呂上りの散歩
〜〜〜風呂上りの散歩
ん〜〜〜鬱だ♪
ヒマでしょーがねえんで朝の温泉街を闊歩する。
時折すれ違う学生の清々しい姿、ゴミを出す主婦や会社員、玄関を掃除する旅館従業員たち。
普段昼間には見ることの出来ないありふれた生活観がここにある。
・・・・・・・・・平和で退屈で、くっだらなくてそれが気楽で、変な感じだ。
僕は旅行にこの風見温泉に来たっていうのにどうしても彼らと自分を重ね合わせてしまう。
やれやれ・・・バカだなぁ僕は。
さて、ということで自己紹介。
僕は加持茂。シゲちゃんって呼んでよ。
職業・小説家。たまに昔のよしみでフリーライターなんかもやってた。
趣味はイロイロ。自分でもかなーり多趣味な方だと現在進行形で自覚中。
釣り、読書、ダイビング、登山、音楽鑑賞、映画鑑賞、茶道、歌道、カポエラ、ガヴァディ―――その他思い出せないもの諸々。ここまでくると自分でも多趣味なのか趣味がないのか謎だ。
えーっと後は自己紹介・・・自己紹介・・・何かあったけ?
あーー歳は今年で35歳。ということで今34歳・・・って余計だった?
割と渋いとかナイスミドルとか言ってもらえることがあって、こーー道ゆく女学生にパチリとウインクしようものなら・・・・・・
【女学生】キモっ・・・
・・・・・・・・・可哀想にヤングには僕の魅力がわからないらしい。
まるで僕から逃げるかのように足早に走り去って行く。
あ〜〜〜何か傷ついたね。
茶屋はやってねーしコンビニいってくっか・・・。
・
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ん・・・?
何だアイツら?
ここに遊びに来て結構長いんだが、どうにも見かけない制服だ。
歩いてゆく方角も駅とは全く逆の方向で・・・・・・どこへ行く気なんだろう。
妙な雰囲気の2人連れだった。
一人は何というか・・・何ていうんだろう。
キレイな顔をしている。ストレートロングの黒髪を揺すらせて、もう一人の連れの顔を眺めて薄ら笑いを浮かべていた。
面白い子だ。
もう一人は何だか怒っている。
怒鳴り声がこちらにまで響いてきて、なんというか子供の痴話喧嘩なのかな、少しかわいらしく感じてしまう。
彼らと通りすがった。
キレイな2人だ。やっぱり独特の雰囲気を持っていて・・・・・・なかなか面白い。
少女は僕に微笑む。
少年は僕を睨む。
ギラギラと、まるで必死に少女を守ろうとしてるかのように。
彼女の代わりに僕を睨む。
すれ違った。
彼らが両脇に抱えていたのはダンボール。それとビニール袋。
何に使うんだろうか。
少なくともこれから学校に行くような様子じゃない。
歩みを止めて後ろを振り返る。
変わらず痴話喧嘩をしてる彼らの後姿。
・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ひーーーまだしなぁ。
何かよくわからんけど面白そうだ。
・・・・・・尾行してみっか。
通信講座で習った尾行術を活用するときがついにきた。
しばらく向かいの山並みを眺めて2人との間を稼いで尾行を開始した。
良い天気だ。
霞一つなく、蒼い山並みと青い空。
その境界線がくっきり映えて、空が遠かった。
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